松江城を訪れ、ガイドの説明を聞くインド人。中海・宍道湖・大山圏域観光局はインセンティブ旅行を通じた日印の経済交流拡大を目指す
松江城を訪れ、ガイドの説明を聞くインド人。中海・宍道湖・大山圏域観光局はインセンティブ旅行を通じた日印の経済交流拡大を目指す(資料)

 山陰両県の5市と経済団体などでつくる「中海・宍道湖・大山圏域観光局」がインドとの経済交流拡大に向け、企業視察を組み込んだ新たなインセンティブ旅行の誘致に乗り出す。現地の旅行会社と提携し、業績優秀な従業員らの報奨制度の一環として旅行プランを販売。交流拡大のきっかけをつくるとともに、インバウンド(訪日客)の増加も目指す。

 松江、出雲、安来、米子、境港の5市でつくる「中海・宍道湖・大山圏域市長会」は2015年、インド南部・ケララ州と経済交流の覚書を締結し、経済団体などとインド人材の雇用や企業間の交流を進めてきた。こうした活動を踏まえ、同観光局が新事業を始めることにした。

 旅行プランは7泊8日の旅程で東京や大阪などを巡った後、数日間の日程で山陰両県を訪問。観光に加え、地元企業の工場見学や企業関係者との交流機会を設ける。インド側企業の業種に応じて訪問先を合わせる。両県にある靴の製造業者や水産物加工業者、インドの伝承医学「アーユルヴェーダ」につながる化粧品関連業者などが候補にあるという。旅行費用はインド側の企業が負担する。

 現地の旅行会社と提携し、ケララ州の企業を中心に営業展開。販売成績などに優れた従業員を動機づけする策として旅行プランを提案する。手始めに今月中旬、同州であるビジネス交流イベントに出展し、現地企業にプランを紹介する。

 出入国在留管理庁などによると、ビジネス目的を含む在留インド人(24年)は約5万4千人、インドに進出している日系企業(同)は5200事業所で、いずれも10年前より倍増するなど、日印の経済交流は年々拡大している。

 同観光局の吉川浩二代表理事は「従来のインセンティブ旅行に企業訪問という付加価値を付けた。経済交流を促進するとともに、観光分野での新たなニーズの掘り起こしも進めたい」と意気込んだ。(山陰中央新報記事 佐野翔一)