【写真説明】大学で開かれた「鳥取県企業紹介セミナー」では質問が相次ぐなど日本への関心の高さを感じさせた(2025年1月30日、オディシャ州のカリンガ工業技術大学で=鳥取県提供)

 鳥取県は、インド東部のオディシャ州(旧オリッサ州)と、今秋にも友好交流協定(MOU)を締結する方針を固めた。県は6月定例県議会に800万円の補正予算を計上。MOU締結に向けた準備のほか、経済交流イベントの開催や高度IT人材の受け入れに向けた事業費を盛り込むなど、本格的な準備を進めている。鳥取県がインドと交流協定を結ぶのは初めて。

 鳥取県がインドとの連携強化に向けて動き始めたのは2023年頃。高度人材の確保や県内企業の海外展開を視野に、インド各州を対象とした調査を実施した。その結果、オディシャ州とは砂像文化という共通点があることに加え、同州のカリンガ産業技術大学などでは日本語を学ぶ学生が多く、人材交流の面でも高い親和性があると判断した。

 一方、こうした鳥取県の動きに呼応するように25年1月には県議会議員の超党派による「鳥取県・インド友好議員連盟」(島谷龍司会長)が設立されたほか、日印双方の外務省をはじめとする外交ルートがバックアップ。特に、シビ・ジョージ氏とナグマ・モハメド・マリック氏という2人の前、現駐日インド大使が、鳥取県とオディシャ州間の「橋渡し役」となって尽力。日本側も今年6月にはオディシャ州を管轄する在コルカタ日本国総領事館の石川義久総領事が一時帰国中に鳥取県庁を訪問し、平井伸治知事と意見交換するなど交流協定締結を目指す環境が整った、という。

 鳥取県はこれまで、中国・吉林省、河北省、韓国・江原特別自治道、台湾・台中市など、アジアを中心に海外9か国・10地域と交流覚書を締結してきた。インドとの交流は今回が初めてで、オディシャ州との協定が実現すれば、交流相手は10か国・11地域となる。

 山陰インド協会の名誉顧問でもある鳥取県の平井知事は「日印両国の友好関係をさらに発展させるためにも、地域間交流は極めて重要だ。人的交流をはじめ、有望な若者に鳥取へ来てもらい、企業や大学間の交流にもつなげていきたい」と期待を寄せている。 

(山陰インド協会理事事務局長 岡並 弘)

<メモ>
ベンガル湾に面するオディシャ州の人口は約4,600万人。州都ブパネシュワールは約120万人。2025年6月のJETRO調査によると、同州には本社、工場、支店を含め58社の日系企業が進出。クロム鉄鉱、ニッケル、マンガン、ボーキサイトなど鉱物資源が豊富で、近年はこれらを活用した大規模資源加工パークの整備や、次世代エネルギーの生産拠点づくりが進められており、インド東部の有力な産業集積地として注目を集めている。また、2023年に月面南極着陸に世界で初めて成功したインド月面ロケット「チャンドラヤーン3号」の開発機関がある。

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