「島根と世界の橋渡し続けたい」 松江市国際交流員アールティ・ダースさん、8年間の勤務終え退任へ
2026/08/19
インド出身のアールティ・ダースさん(30)が8月末、8年間務めた松江市の国際交流員を退任する。語学力を生かし、中海・宍道湖・大山圏域市長会とインド南部・ケララ州政府との橋渡し役を務めたほか、市民の国際理解促進に力を注いだ。「経験を生かして島根と世界をつなぐ役割を続けたい」。今後は市内の教育機関に就職する予定で、親しんだ街で新たな一歩を踏み出す。
インド南部のケララ州出身で、アニメソングをきっかけに9歳から独学で日本語の勉強を始め、ジャワハルラール・ネルー大で日本語を専攻。卒業後は日本語能力試験で最難関のN1に合格し、2018年に国の外国青年招致事業「JETプログラム」で松江市の国際交流員になった。
国際交流員の任期は1年が基本で、再任用により最長5年間滞在可能。ダースさんは英語やヒンディー語など5カ国語を話す語学力が評価され、市と直接雇用契約を結び、活動を継続してきた。在留外国人向けの行政情報の発信や相談支援のほか、市内の学校や公民館などでインド文化や歴史、生活習慣を紹介する講座を開き、親しみやすい語り口で幅広い世代から人気を集めた。
25年10月には、10年の節目に再調印した中海・宍道湖・大山圏域市長会とケララ州政府との経済交流などの拡大を目指す連携協定で外務省や州政府関係者との調整に奔走。インドではトップダウンで迅速に方針が決まるため、直前の変更が多く、柔軟に対応する必要があった。「仕事の進め方が違うため互いの価値観を理解し、誤解が生じないよう説明することが役割だった」と振り返る。
日本文化への深い関心があり、バンドのボーカル活動や少林寺拳法、陶芸など趣味は多彩。6年間続ける琴は免状の第1段階となる「初伝」を取得した。地域住民との交流を深めるきっかけになったという。
退任後は市内の教育機関を拠点に、外国人材や海外とのつながりを生かして地域の国際化や人材育成に貢献したい考えだ。「自分の体験を楽しく話すことで島根やインドの良さを世界に伝えたい」と意気込んだ。
(山陰中央新報)